「そうだな。
1回も一緒のクラスになったことねぇしな」
「一学年4クラスだから…同じクラスになれるのは4分の1の確率だよね。同じクラスになれるように神様に祈ろう…」
去年はたくさん神様に祈ったおかげで、京子と明日葉と同じクラスになれたんだ。
だから今年は詩優と…みんなと同じクラスになれますように。
神様にはたくさんお願いしすぎかもしれないけど……私には密かな夢がある。
それは、好きな人と同じクラスになって、となりの席に座ること。
そうしたら毎日詩優のことを見ていられる。
授業中も、休み時間も。それってすごく最高なことだと思う。
まぁ…同じクラスになって、隣の席になる、なんて確率はものすごく低いことくらい分かっている。
分かってるけど……そうなれたらいいな、なんて。
「花莉」
詩優に名前を呼ばれて、顔をあげれば
「おはようのキスしよ」
と言った彼。



