世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





甘さが口の中いっぱいに広がった時、詩優は座り直して。
ピタリと体が密着。



「!!」



このソファは2人がけのソファ。だけど、2人で座っても充分余裕があった。それも3人でも座れるんじゃないかと思うくらい。



距離があったのが嫌だったのかな…




ちらりと詩優を見ると、何事もなかったかのようにココアを飲んでいて。
ずっと見ていたら、私の視線に気づいたのか目を合わせてくれる。




「ん?」



『何かあった?』
とでも言いたそうな表情の彼。



…ずるい。
また私にばっかりドキドキさせようとしてる…。




私はもう一口ココアを飲んで、マグカップを目の前のガラステーブルの上に置いた。

それから、ぎゅっと詩優の腕に抱きついて。




「…さ、3年生になったら、同じクラスになれるといいね」




自分のドキドキが詩優に伝わらないように口を開いた私。