残された私は、乱れた髪を手ぐしで整えて。
まだドキドキしている胸をおさえながらベッドをおりる。
ベッドのすぐ近くに置いてあるスリッパ────詩優が家具屋さんで選んで、私にくれた白猫のスリッパを履いて寝室を出た。
リビングに行くと、詩優がカーテンを開けてくれたみたいで、部屋の中が明るい。
窓のそばにいって、景色を見ると…。
朝日が街を少しずく照らしていて、朝がきたと教えてくれていた。
あと数分もすれば朝日が完全に出て、街全体を明るく照らしてくれる。
やっぱりここの景色はいつ見ても綺麗だなぁ。
窓に張り付いて外を眺めていたら
「花莉、ココア飲も」
詩優がマグカップをふたつ持って、ソファの前で私を呼ぶ。



