ベッドをおりると、おでこから水分を失った冷却シートがはらりとはがれ落ちた。それに続くようにマスクも床へと落ちていく。



…マスク…しなきゃ……



フラフラする足でマスクを拾って、それをつけてからリビングへ向かった。
だけど……。
部屋は真っ暗で、誰かがいる気配がない。



不安はどんどん大きくなっていく一方。
彼の部屋の扉を開けて、部屋の中を確認。




……リビングと同じように、部屋は真っ暗で誰もいない。




「詩優……っ」




彼の名前を呼ぶ。
それからトイレも、お風呂場も詩優がいるか確認したけど……




どこにもいない。












……どこにいるの


……1人はやだよ


……怖い


……寂しいの


……そばにいてよ



……早く帰ってきてよ





視界に涙が溜まって、こぼれ落ちる。