「あとはカーテンとベッド見に行こ」



そう言って私の前を歩いていく詩優。
私も置いていかれないように詩優のあとをついていく。



「か、カゴ!私も持つよ!!力持ちだし!!」



私は手ぶらなのに、詩優が両手に1つずつカゴを持っているのはさすがに悪い。私だってそこまで非力じゃないから持てるのに…




「力持ちって」



詩優はふっ、と笑ってから




「じゃあそんな力持ちの花莉には、こっちのカゴを持ってもらおうか」




左手に持っていたカゴを1つ渡してくれた。
詩優が渡してくれたのはたくさんのスリッパが入ったカゴ。
こっちのカゴは食器が入ったカゴよりも軽い。




…優しい。
詩優は優しすぎる。普段食品を買いに行く時だって、必ず買い物カゴを持ってくれるし、買った物を持つ時だって絶対軽い方を私に渡してくれる。




詩優の優しさで胸が熱くなるばかり。
何か恩返しできたらいいんだけど…




なんて思っていたら、ベッド売り場に到着。