「花莉がいいって言うまで絶対覗かねぇから。安心して入って」
背後から声がして、くるりと振り向けば詩優がわしゃわしゃと私の頭を撫でた。
「わっわっ」
私の髪の毛は一瞬でぼさぼさに……。
朝せっかく整えたのに…!!
何をしてくれるんだ…!!
手ぐしで髪を整えながら、ぷくっと頬を膨らませて詩優を見つめた。
「一緒に風呂入りたかったらいつでも呼んで」
私をからかうようににやりと口角を上げる彼。
「絶対呼ばないもんねーだっ」
あっかんべーをしてから私は走って他の部屋に向かう。
からかおうったってそうはいかないんだからね…!!お風呂はガラス張りでも脱衣所には扉がついてるからそこを閉めちゃえばいいだけだし…!!
わ、私がそこまで気にする必要はないんだ…っ
でも、こ、恋人って…お、お風呂とか一緒に入るものなのかな…?
詩優は、私と一緒に入りたいとか思ってるの…?



