世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




数学はいつものことだが……
残念なことに1問目からわからない。



ちらりと隣に座る京子を見ると、バチッと目が合った。
京子はにこりと笑ってから私にくっついて、「あとで詳しく教えてね」と小声で言ってからノートにペンを走らせる。




“あとで詳しく教えてね”
それはきっとのさっきの詩優とのことだろうか。うん。絶対そうだ。



さっきのことを詳しく聞いてからかおうったってそうはいかないんだから。
私だって京子と竜二さんに何か進展がないか詳しく聞きたい…!



京子と竜二さんのことが気になって私は夜しか眠れないんだ。
恋バナだって引越しの準備があるから延期になっちゃったし…、あとで少しだけでも聞きたいところ。









「これはね、これをこうして…」




問題の解き方を丁寧に書いてくれて、説明もしてくれるから私も真面目に問題に向き合う。

やっぱり、京子の説明はすごくわかりやすくて、すぐに解き方を理解することができた。

本当に京子はすごい。




「ありがとう!京子!」