「え!?」



思わず声が出る。



「ん?」



詩優は私を見て口角を上げる。
何かあった?、とでも言いたそうな顔。



…何かあります。
何かありますとも。



「…っ、こ、これは…なんでしょう…?」



詩優と目を合わせて聞いてみる。




「ん?新生活のルールだけど?」

「…それは、わかってる」




私が聞きたいのはそういうことじゃなくて。
……詩優だって私が聞きたいことがなんだか絶対わかってるくせに。




「じゃあ決定な」




詩優は口角を上げたまま私の頭を撫でて、それからまたペンを走らせた。




…キスが嫌というわけじゃないから別にいいんだけどさ……。
せめてなんでしようと思ったのか理由を教えてくれても……。




そんなことを思ってるうちにまた何かを書いている詩優。
しかもたくさん。



私は一緒に住まわせてもらってる身だから、詩優が決めたルールは(できることなら)できるだけ守っていきたいと思う。




だから、詩優が書き終わるまでドキドキしながら大人しく待っていた。