「せ、背中…痛かったよね?」
「全然」
「嘘だっ!!すごい音したもん!!背中見せて!!」
あの時、どんっ!って音が聞こえた。
どんっ!って。
詩優から離れることはせず、抱きついたまま詩優のシャツを捲ったそのとき───
バンッ!!!!
と勢いよく開かれた屋上のドア。
私の心臓は大きく飛び跳ねた。
「おっと!お取り込み中だったか~。ごめんね?詩優、ひめちゃん。引き続き楽しんでね」
屋上のドアに目を向けると倫也がいて。
にやにやしながら手を振って、すぐにドアを閉められた。
…お取り込み中?
なんて不思議に思ったが、すぐに現状を把握。
私が詩優のシャツを捲っているから……襲っているようにでも見えてしまってもおかしくない。
あとでからかわれる前に誤解を解きに行かなくちゃ…っ!!!
慌てて詩優から離れて倫也を追いかけようとしたら、詩優に強く抱きしめられて……



