ぱっと顔を上げると口角を上げる詩優が目に入った。



「俺が好きな女の子は今もこれからもずっと花莉だけ。
言葉だけじゃ心配なら、俺が浮気しねぇように毎日キスマークつけていいけど」




どうする?、とつけたして聞いてくる。
からかう気満々なのだろうか…。




「そ、それは、だ、大丈夫、です」

「遠慮すんなよ?」





「し、してないよっ!!」




私がそう答えたら詩優はふっと笑って。
今度は一呼吸してから、





「花莉、お前今日1日俺と半径20センチ以上離れんの禁止」





そんなことを言い出した。




は、半径20センチ!?
20センチって結構近いよ!?




「な、なんで……」

「俺、まださっきのこと許したわけじゃねぇし。その罰として20センチ以上離れんの禁止な」






「は、反省してます……」

「おう。もっと反省して。
もし、次に無茶するようなことがあれば花莉専用の小屋作ってそこから一生出さねぇから」





こ、小屋!?
しかも一生って……






……まだ怒ってるんだ
さっきも『許さねぇよ?』って言われたけど…