「今の真由はね、記憶が封印されたような状態だから思い出せないかもね」

「……え? それって……、どう言う事?」

 私が問うと、お姉ちゃんはいきなり指をパチンと鳴らした。

「私の魔法で記憶を封印していますからー」

「え?」

 後ろを振り返った私は目の前に立っている人物に注目した。

 見知らぬ女のコである。

 頭にヘヤバンド。長い髪を後ろ手に巻いた可愛い女のコだ。
 私より年上に見える。
 そして何故か手に箒を持っている。

 女のコは私の傍に歩み寄り、顔を覗き込んだ。
 パッチリとした透き通った瞳が印象的だ。