俺は境内の片隅に身を細めて周りの様子を伺い始めた。
 母さんをそのまましている事を悔やむだけだ。
 命に別状無ければ良い事を祈るしかない。

 シーンと静まりかえっている。
 昼間でも比較的静かな神社境内も夜になると、より静かだ。

 ガサッ!

 俺の足音で近くにいた野良猫が一目散に走って逃げた。
 辺りをキョロキョロしながら俺はスマホを取り出した。
 すぐに浦本に電話だ。

「もしもし? 天崎?」

 ありがたい、すぐに電話に出てくれた!

「俺だよ俺!」