『ありがとう』

順子は私に携帯を返してくれた

「瑛ちゃん、やめるの?」

『ああ、責任をとらないとな
詳しくはスミレの家に行って
話しをするよ』

「うん」

私は電話を切った

「ねえ、『まこ』って誰?」

順子が不思議そうに首をかしげた

「谷山真琴のことだよ

本名は橘真琴で私のお姉ちゃん」

「え?」

順子の顔が固まった

「もっと言うと
卒業した松川光汰は
小泉瑛汰の弟だよ」

「ええ?」

順子の目が
驚きで大きくなった

「本当に?」

「うん」

「私、すみれの前で
谷山の悪口言ってたよ…

怒ってた?」

「ううん
お姉ちゃんらしいって
思ってた」

私が笑顔で言うと
順子がほっと肩の力を抜いていた