その顔、もっと見せて?

まっすぐに、瀬王さんの目を見ながら言った直後、フイッと視線をそらされた。




そして、フッと軽く笑った瀬王さんは、何かに吹っ切れたみたいに告げた。




「ダメだったか〜」

「·····え?」

「廉の心は俺のものにならなかったな」

「·····」

「俺はさ、廉のこと好きだったんだよ」

「瀬王さんが·····?」

「初めて知ったろ?」




だって言われたことなかったし·····。




それに、お互いの父親が勝手に決めたもの·····かと思いきや。




実は瀬王さんが、私の写真を見て自分の父親に、私に会いたいとお願いしたんだと。




「そんなこと、今まで1度も·····」

「廉が俺に振り向くまでは黙ってるつもりだった。じゃなきゃ、こんな話恥ずかしいっての」

「確かに今ものすごく恥ずかしいです」

「ははっ。だろ?」




瀬王さんに、本気で好かれてるなんて思いもしなかった。




私たちは、親が決めた形だけの婚約者という関係だと思ってたから·····。