抱きしめ足りない俺は、体からゆっくり廉ちゃんを離して、腰をグイッと引く。




唇をフニッと触れば、廉ちゃんが可愛い反応を見せてくるから、たまらなくなる。




「ちゅーしたい、廉ちゃん」

「·····いいよ」

「いいの!?」

「聞き返さないでよ!恥ずかしい!」

「あ、ごめん·····」

「私がする」




そう言った廉ちゃんが、俺に唇を重ねた。




2度目のキスは、薬品の匂いが鼻をかすめ、想いが通じあったキス。




こんなに幸せなことは今までになかった。




「廉ちゃん、好き」

「私もだよ·····眞皇」

「·····え、今なんて?」

「だから、聞き返さないでって言ったじゃん!」

「不意に言うのよくないよ!」

「も、もう言わない!」




廉ちゃんの声で紡がれた自分の名前が好きになった。




3度目のキスは俺からした。




幸せすぎて、どうにかなりそうだった。