その顔、もっと見せて?

《眞皇》




失恋の傷は、何で癒すといいのか。




以前の俺なら、また女の子なら誰にでも手を出していたんじゃないかと思う。




けどそれは、今の俺にはまったく考えられなかった·····。




「まーお!え、元気なくない?」

「風邪っぽい·····かな」

「うそ!エミリがなんか買ってこよっか?」

「ほんと?嬉しい〜」

「待ってて!」




ダメージはかなり大きかった。




頭の中には常に廉ちゃんがいて、浮かんでくるのは最後に見たあの切なく笑った顔·····。




あんな顔をされたら、さすがの俺も、もう何も言えなくなった。




婚約者なんて、今時いる?




そいつのせいで、俺と廉ちゃんは両想いのはずなのに、両想いじゃなくなった·····。




そもそも、廉ちゃんのパパ·····理事長さんは、なんでそんなことをしたのか。




少なからず、廉ちゃんは俺のことが好きなのだ。




ということは、婚約者のことを好きになったことはないということになる。




理事長さんが決めたことは絶対と言っていた。




俺にどうこうすることはできないってこと·····?




廉ちゃんが俺のものになる日も来ないってこと·····?