幼少期から、父に敬語で話すよう教えられてきた。




目上の人には当たり前。




私の中ではそう思っていて、両親にももちろん敬語で話している。




ここでも優等生キャラで通っているから敬語で話しているわけだけど·····。




思えば、福智には普通に話しちゃってる·····。




福智に合わせてると気が抜けていつもの自分になってしまいそう·····。




気をつけないと。




次の授業は美術で、今日はデッサンの時間。




2人ペアを作るのは苦手。




私としたい人なんて現れるわけもなく。




この時間は先生と組まされるのかと覚悟したその時。




「すみません。遅れました〜」

「福智くん、遅刻した上に手ぶらなの!?」

「職員室呼び出されて話長くて、教室に取りに戻る暇なくて〜」

「まぁいいわ。ペアの子に借りなさい」

「ペア?」




待って·····。




この流れは·····。




余り物の私と目が合った福智は、ニコリと笑ってこちらに向かってくる·····。