その顔、もっと見せて?

私はこの1年、瀬王さんを婚約者として紹介されたけれど、婚約者として見ているのかと聞かれれば何も答えられないと思う。




付き合ってる訳でもない。




そのような言葉を、瀬王さんから受け取ったこともないから。




ただ、瀬王さんとの関係は?と聞かれれば、婚約者と答えるしかないし、私も人に紹介する時は、婚約者と告げるしかないと思う。




だって、父がもう彼を婚約者と決めてしまっているのだから。




私に拒否する権利なんてない。




ただ、瀬王さんが断るなら、また違った話になってくるけれど·····。




今のところ、そんな話はないのだ。




「翼くんももうすぐ18になる」

「·····え、いつですか?」

「婚約者の誕生日も知らんのか」

「·····すみません」

「1ヶ月後だろう」




え、そうなの·····?




瀬王さん何も言わないから、全く知らないし·····。




そもそも、私と瀬王さんって、そういう個人的な質問をしたことがない。




私はもうすでに、春に16になっている。




い、嫌な予感しかしないんだけど·····。




「そろそろ準備をしなくてはな」

「なんの·····」

「婚礼のだ」

「け、結婚!?·····ですか!?」

「当たり前だろう。2人とも結婚できる歳になるんだから」




そんな·····!