その顔、もっと見せて?

これは、優しさなのか。




もしかして、私が疲れたと言ったから?




瀬王さんとはもう何度か会っているけれど、こんな経験は初めてだった。




家に入ればまだ父は帰ってきていないみたいで、母がキッチンで家政婦さんと楽しく料理中だった。




「ただいま」

「おかえりなさい、廉ちゃん」

「いい匂い」

「今日はサバの味噌煮よ〜」

「いいね、和食」

「なぁに〜?フレンチもいいじゃない」

「おいしいけど、やっぱり和食がいい」




それに、外食より家でのご飯が1番。




しばらくして父も帰ってきて、みんなで食卓を囲んだ。




父は昔から、食事は家族全員でをモットーとしている。




話題はだいたい母が振るのだけれど、今日のような婚約者との食事会があった日は、父がどうだったと聞いてくるのが決まりだ。




「珍しいな、日曜日に食事会とは」

「·····はい」

「これで何度目になる」

「約1年、食事会を続けてきました」

「数え切れないほど会ってきたのだろう」

「そうですね」

「翼くんとはいい関係を築けてるのか?」




それは私からはなんとも言えません·····。