瀬王さんを待たせること約5分。




もうこれで最後にしてください·····。




そんな願いを込めて、試着室を出たら。




なんだか、瀬王さんの目がだんだん大きくなっていくような感じがしたんだけど·····。




「·····似合うな」

「えっ?」

「女らしいじゃん」

「そう·····ですか?」

「廉の色っぽさが出てて、抱きてぇって思った」

「はぁ!?」

「まぁ嘘だけど本気ってやつ。よしこれ買お」




待って?瀬王さん。




いろいろ問題発言があったような·····。




クレジットカードで買われたこのドレスは、次回の食事会に必ず着てこいとのことだった。




「廉に可愛さ求めてたら日が暮れた」

「私のせいですか?」

「ま、そうだな」

「私も疲れました。ドレスを何度脱ぎ着したことか·····」

「いっちょ前に文句かよ」

「あ、つい·····すみません」




いけない·····思わず口が滑った·····。