それでも無理やり着せられたフリルのついたピンクのドレス·····。




ねぇ、ほら·····。




盛大に笑っちゃってるよ、瀬王さん·····。




「やめだ。似合わなすぎっ·····」

「脱ぎますね」

「そうしろっ·····くくっ」

「笑いすぎです」

「お前実は女じゃねぇな?」




なら私は男とでも言いたいんですか?




笑いまくる瀬王さんなんて放っといて、私は試着室へ戻る。




だいたい、ドレスというか、スカートが似合わないのよね、私。




スキニーとか、パンツの方が私の好み。




ドレスが似合わないのは仕方ないと自分に言い聞かせて、脱ごうとしたその時。




「これ着てみろ、廉」




シャッと、なんの躊躇もなくカーテンを開けて、瀬王さんは私に黒のドレスを差し出してきた。




ノックというものを知らないのか、この男·····。




「外で待ってる」




そう告げて閉じられたカーテン。




これはまた、今までのと違う系統のドレスを持ってきましたね·····。




なんか、レースがやたら多くて布が少なく感じる·····。