瀬王さんとの食事が終わり、運転手付きの外車に乗り込む。




いっそ、彼を好きになれたらよかったのに·····。




何度も何度も、そう思ったけれど。




瀬王さんは、ガサツで傲慢で。




どうにも、好きになれそうになかった。




「美人なくせに、もったいねぇよな、お前って」

「·····え?」

「化粧っ気はねぇし、オシャレにも疎い」

「·····勉強することだけが、私の取り柄だから」

「俺の横に似合う女になれ」




そう言われて、着いたお店では何着ものドレスを試着させられた。




1着1着着る度に、脚と手を組む横柄な態度の瀬王さんに見せる·····。




評価はどれもイマイチばかり。




もうやめたい·····。




「廉って好きな色ねぇの?」

「青、紺とか·····」

「暗〜·····」

「すみません·····」

「ピンクとか女の子らしいの着せてみるか」




絶対似合わないのでほんとにやめて欲しい·····。