常に黒板に視線を向けている私は、先生と目が合うことも多く。




これが好印象に繋がるからと続けてきたことを悔やんだ。




「椎名。悪いがその隣の席のやつに、後で職員室に来るよう伝えといてくれ」

「·····はい」




これ以上接点を増やしたくなかったのに。




この男·····要注意人物認定!




授業終わり、ミッションを完了すべく福智に声をかけた。




「·····ねぇ」

「·····」

「ちょっと」

「·····」

「福智くん?」

「ぶふっ」




·····こいつ、謀ったな。




完璧起きていた福智を、私は今すぐ蹴飛ばしたい。




怒りを表情に出さないように、先生の言伝を告げれば、福智はやっと体を起こした。




「めんどくさいな〜呼び出し」

「早く行ってきたらどうですか?」

「さっきの福智くんはよかったよ」

「忘れてくださいね。早急に」

「そのキャラキツくない?」




きついから早く行けっつってんの!