無言のまま帰路について、駅で廉ちゃんと別れる。




また学校で、そう告げたけど。




やっぱり、廉ちゃんの気持ちを確かめたくて·····。




「廉ちゃん、待ってっ!」

「·····なに?」

「好き?俺のこと」

「なっ!」

「キス、嫌がらなかった」

「それはっ·····」

「俺は好きだよ、廉ちゃんのこと。めちゃくちゃ好き」




今度こそ、信じて欲しい。




俺の廉ちゃんに対するこの気持ちをなしにしたくないんだ。




もうすぐ電車がくる。




けどそんなこと、今はどうでもよくて。




「ダメ、なの」

「ダメの理由はなに?」

「っ、い、言えない。言いたくないの」

「じゃあ、もう振って」

「えっ·····?」

「ダメなら振って、ちゃんと。気持ちにケジメつけないと、このままじゃ廉ちゃんこともっと好きになっちゃうから」




届かないなら、いっそ振られた方がマシだ。




廉ちゃんへの想いを断ち切るには、ひどいこと言われた方がよっぽどいい。