そんなこともお構いなしなこのストーカーは、結局教室まで私の背後を離れなかった。




しかもほんとに隣の席だし·····。




席に着いた途端、その人の周りには女の子が集結。




それにも圧倒された·····。




「眞皇〈マオ〉〜どこにいたの〜!?」

「ちょっとね」

「ていうか、なんで椎名さんと2人で戻ってきたの!?」

「たまたま廊下でバッタリ会ったからここまで仲良く戻ってきたんだよ。ねー、椎名さん」




私に同意を求めないでくれる!?




一斉に女子の目線が私に集中して、体が萎縮する·····。




一応頷いておけば、隣の席のそいつはほらねーとニコニコしている。




私の苦手なタイプだ。




福智眞皇〈フクチマオ〉。




名前はそういうらしい。




見るからに女子にチヤホヤされていて、脳天気な男なんだと思う。




授業が始まれば居眠り開始。




普段全く気にしていなかった隣の席が私の視界に入り込んだ。




「福智はずっと寝てるな〜」




先生、なぜ私を見るんですか?