その顔、もっと見せて?

福智がナンパを撃退してしばらく。




りっちゃんが戻ってきて、私は福智の手をパッと離した。




しまった·····あからさますぎた?




「ごめーん、幼なじみ寝坊したみたいで」

「あ、そうなんだ。じゃあどうする?」

「チケット1組分渡しとくし、先に入っててよ」

「OK〜。じゃあ、廉ちゃん行こっか」




ちょ、ちょい待て。




強引に福智に手を引かれ、手を振るりっちゃんは満面の笑みで見送ってて·····。




·····これは、まさか。




「計画的なやつ」

「あ、バレた?」

「さいってー」

「だってやっぱり、廉ちゃんと2人きりでデートしたいんだもん·····だめ?」

「うぅ·····。その聞き方はずるいんだけど」

「さぁ、入ろう〜!」




有無を言わさず、あっという間に遊園地の中に連れてきた福智。




私に拒否権はないのか。