その顔、もっと見せて?

遊園地に着けば、先にいたのは福智だけで。




そういえば、りっちゃんの幼なじみが来るはず·····なんて考えてた隙に。




「廉ちゃん、激カワ!!」




福智の声が遠くで聞こえたかと思えば、ガバッと抱きつかれた。




最悪なんだけど。




公衆の面前で何すんのよー!!




「グフッ」

「りっちゃんの服がシワになるでしょ!?」

「矢野さんの作り上げた作品?」

「人をお人形みたいに言わないでくれる?」

「だって今日の廉ちゃん、お人形さんみたいな可愛さなんだもん」




そんなキラキラした目で見ないでよ·····。




さすがの私も恥ずかしい。




そういう福智は、相変わらず周りの女の子からチラチラ見られてるし。




学校の外でもフェロモンダダ漏れなのね。




「美男美女だね、君たち」

「それってカップルみたいってことかな、矢野さん」

「めちゃくちゃ嬉しそうにするじゃん」

「廉ちゃんの彼氏になりたい!」

「それは福智の努力次第」




もう、勝手にやって。