その顔、もっと見せて?

鏡の前に座って30分。




顔がキラキラしてきて、髪の毛はフワフワしてきた。




これが·····私?




「できあがり〜!」

「りっちゃんすごい·····」

「廉の質が良すぎなんだよ」

「私の質·····?」

「なんで隠してるの?めちゃくちゃ顔整ってるのに。視力も悪くないよね?」




りっちゃんにもお見通しだ。




私の素顔を見れば、同時に疑問を持つ。




その答えを知った時のみんなの反応が怖いから。




私には話す勇気がまだない。




言えなくて、ごめんなさい·····。




どうにかして話をそらそうと思った時。




りっちゃんのケータイが鳴った。




どうやら相手は福智みたいで、私が電話に出ないからどうしたのかと、慌ててりっちゃんにかけたらしい。




「メイク中で気づかなかったね」

「もうすぐ時間になるし、行かないとですね」

「廉見た時の、福智の反応が楽しみ〜」

「どうして?」

「可愛さのあまり、失神しちゃうかもね」




まさか。