その顔、もっと見せて?

やっぱり裁縫が苦手な様子の廉ちゃんは、矢野さんに教えてもらいながら黙々と作業をしていた。




中でもミシンはすっごく苦手なのか、ちんぷんかんぷんといった様子で。




矢野さんにべったりくっつきながら、やり方を教わってる·····。




「このペダルを踏むと、こうやって進んでいくからね」

「わっ、すごい·····」

「椎名さんって、心開くの早いよね?」

「矢野さんがとても親切だから·····」

「六華でいいよ。呼びにくいならりっちゃんでもいいし」

「りっちゃん·····」

「あたしは廉って呼ぼ〜」




え、なにその慣れた感じ。




俺より仲良くなるスピード早くない·····?




なんなら俺より受け入れてるし·····。




「廉ちゃん、俺もミシン教えれるよ?」

「いいです。りっちゃんに教えてもらうので」

「ほら!こんなに早く縫える!」

「すごいですねー」

「すっごい棒読み·····」



俺、悲しくなるよ·····。