福智の存在を受け入れ始めてる自分がいるのは確かなんだと思う。




けどそれとこれとは別。




福智のことを必要以上に知りたいと思う気持ちはない。




これ以上、私の中に踏み込んで欲しくない。




私はもう誰かを好きになる権利がないから。




「どうぞ、勝手に拗ねててください」

「え、戻るの?」

「予習する」

「次の授業家庭科じゃなかった?」

「そうだけど」

「予習するものなくない?」

「·····いいじゃない、別に」




だって、ミシン使うのよ!?




使い方知らないし、お裁縫は苦手だし·····。




細かい作業は向いてないのよね·····。




「もしかして、裁縫も苦手なの?廉ちゃん」

「は!?違うわよ、別に苦手とかじゃなくて·····って、もってなに?」

「絵、苦手じゃん〜?」

「なっ、苦手じゃなくて、ちょっと人より描けないだけ!」

「苦手なんだね〜」

「苦手じゃない!わ、笑うなっ!」

「そういうとこ、かーわい」




む、ムカつく!