前に図書館に寄った時、時間を忘れて勉強してたら門限をとっくに過ぎたことがあって。




父にはこっぴどく叱られた。




『どこ行ってたんだ!』

『図書館です』

『門限は6時だと言っただろう』

『·····すみません。時計を見ていなくて』

『会ってたんじゃないだろうな』

『会ってないです。連絡先も消したので』




父は心配性の度が過ぎている。




私はもうあの人とは別れたというのに。




こんなにも信じてもらえないんだと·····。




「また、あの顔だね」

「·····え?」

「誰かのことを想ってる顔」

「なんのこと」

「椎名さん、時々そういう切ない顔してるよ」

「うそ·····」

「ほーんと。誰かな〜椎名さんの想い人。俺妬いちゃいそ〜」

「は!?」




何言い出してんの、こいつ。