《廉》




私の日常に福智がいることが当たり前になってきている気がするこの頃。




屋上へ行く時も、常に福智の方が先にいて、必然的に私のオアシスには福智もいる。




気を完全に抜ける時がなくなった。




「あなた、暇なの?」

「全然暇じゃなーい」

「いや暇でしょ。毎回ここに来て」

「ここに来るので大忙し」

「別に来なくていいんだけど」




誰も来てなんて頼んだ覚えはない。




初めは追い出そうともしてたし、来るなって毎回言ってたけど、何をしても福智には響かなかった。




諦めも肝心って言葉があるみたいに、私はこの状況をもうどうでもいいと思ってしまった。




「はぁ·····」




ため息も遠慮なく。




福智のことは空気だと思うようにした。




前に自分で空気と思っていいよって言ってたし。




オフモードになることも今では躊躇なくしている。




そうしないと、福智が勝手に触れてくるから。