やっぱり椎名さんは絵が苦手なんだと実感。




そのあとも何回かやりとりを続けたけど、ほとんど椎名さんの絵がなにかわからなかった·····。




俺の読解力のなさ?




いや、絶対に椎名さんの絵心のなさだと思う!




気づけば授業も終わっていて。




時間が秒で過ぎていったと錯覚するくらい、この時間が楽しかったんだと思う。




「椎名さん、またしようね〜」

「もうしない」

「え〜なんで〜?」

「あなた全然わかってくれないから」

「椎名さんがもっとわかる絵を描いてくれたらきっともっとスムーズにしりとりできてたよ」

「私が悪いの?」




これは·····拗ねたのか?




え、可愛い。




待って、また俺の心臓がバクバクしてるんだけど。




「もうやらないから」

「椎名さん、拗ねないで」

「拗ねっ·····!?そんな子どもみたいなことしないし!」

「してるよ、今」

「してない!」




ムキになった椎名さんは、きっと我を忘れてしまっていて。




完璧素で話しちゃってる椎名さんを、ますます可愛いと思ってしまった。