見られた·····?




顔を上げ周りを見渡す。




人の姿はない。




どういうこと?




いったい、誰が·····。




「んー、前ばかり見てもね」

「えっ·····?」

「実は上にいたりもする」




パッと空を見上げる形で給水タンクのある方を見る。




いた·····。




太陽を浴びているせいで、影になってるからうまく顔は見えないけど·····。




私のことを知ってる·····てことは、同じクラスの人?




優等生であるがゆえに、地味な格好をさせられてる私。




そんな人に周りの人は近づいてくることなんてなくて、私はクラスで孤立している。




この学園に入って、声をかけられたのはこれが初めて。




「時々クラスからいなくなると思ったら、屋上にいたんだね」

「あなた、誰なの?」

「隣の席なんだけど、知らない?」

「えっ·····隣?」

「俺のこと知らない女の子いたんだね。しかも隣に毎日いるのに」




ストーカーみたいなこと言う·····。