帰りは人の波に乗って歩く。




随分と満足した様子の廉ちゃんは、どこかルンルンな表情をしている。




そんな顔をする廉ちゃんが珍しくて、夏祭りに連れてきてよかったと思った。




「来年も来ようね、廉ちゃん」

「うん!あ、手持ち花火もしてみたい」

「いいよ〜。買ってくるね」

「わ、私も一緒に行く」

「一緒に買い物?あ〜いいね、夫婦みたい」

「ち、違いますから」

「なんで敬語?変な廉ちゃん」




照れてるのわかってるけど、やーっぱり意地悪したくなっちゃうんだよね。




廉ちゃんの怒った顔も可愛いんだから、大半は廉ちゃんのせいなんだよね。




ま、本人は無意識にしてるんだから困ったもんだよ。




「今日はありがとう、眞皇」

「あ、素直な廉ちゃんだ」

「わ、悪い!?」

「んーん、超いい。キスしたい」

「なっ、ん、」

「好き、廉ちゃん」




夏休み、まだまだこれからだから、廉ちゃんともっと満喫したいな。