その顔、もっと見せて?

冷めた態度の椎名さんは、ポケットから屋上のであろう鍵を取り出し開けた。




その後をついていき屋上に入れば、振り返った椎名さんは嫌そうな顔をしてくる。




「なんで入ってくるの?」

「だから、話したくて」

「遠慮しますって言ったよね」

「諦めないって決めたばっかりなんだよね〜」

「なんの話?」




はぁ·····ってため息をつく椎名さんだけど、俺はどうしても知りたいと思うんだ。




「今日はオフモードにならないの?」

「あなたがいるからなれない」

「空気と思っていいよ」

「思えないでしょ」

「見たいな〜。メガネを外した椎名さん」




昨日は声をかけるタイミングを間違えて見られなかったしね。




ワクワク。




さぁ、外してみて!




「嫌よ」

「え、なんで」

「人に見せるものでもないし」

「見たいと思ってる人がここにいまーす」

「あなたは嫌」

「うわ〜グサッときた」




それにそのあなたってなに?




俺には福智眞皇って立派な名前がありまーす。