触れたいのをぐっと堪えて、廉ちゃんを連れ出した。




カランコロンと、下駄の音が響く。




会場に近づけば、ザワザワと人も増えてきて。




「はぐれないでね、廉ちゃん」

「こんなにしっかり繋がれてれば、はぐれたくてもはぐれられないけど」

「もうちょっとくっついてもいいんだよ?」

「歩きにくくなるからいい」

「え〜足りない〜」

「なにがよ」




廉ちゃんの温もり?




もう、なんかいろいろ廉ちゃんが足りないんだ。




会場内は人で溢れていて、屋台には長蛇の列。




花火の見れる席を確保して、俺たちはたこ焼きの列に並んだ。




「おいしそうな匂い·····」

「お腹すいた?」

「うん」

「他に何食べる?」

「うーん·····肉巻きおにぎり。いちご飴も食べてみたい」




屋台を見渡して、目をキラキラと輝かせる廉ちゃん·····。




いや、可愛すぎませんか。