えっと·····お腹すいてたの?




なんて尋ねれば、ももちゃんからは冷たい視線。




「眞皇くんのこと、諦める代わり」

「えっ·····?」

「眞皇くんに説得されたの!口を開けば廉ちゃん、廉ちゃん·····。眞皇くんになんか吹き込んだの?あなた」

「別になにも·····」

「前はもものこと見てたのに。今日よそ見ばっかりで、あなたのことずっと見てた」

「そう、なのね·····」

「同情されると腹立つんですけど」

「ごめんなさい·····」




無心になってアイスバーをかじるももちゃんは不満げそうで。




そりゃそうだよね·····なんて納得するけれど、だからってどうしたらいいのかなんてわからなくて。




私だって引き下がるなんてできないから。




眞皇を諦める代わりに渡したアイスバーを勢いよく食べきったももちゃんには、負けたくないの。




「ももが食い下がるんだから、別れたら許さない」

「うん。眞皇のこと、手放さない」

「絶対だからね」

「うん、絶対」

「·····くやしい」




ありがとう、ももちゃん。