俺と兄は兄弟喧嘩をして仲違いしたんじゃないんだ。




あの件に関しては、俺が全部悪い。




こんなこと、廉ちゃんに言ったら、絶対幻滅する。




言いたくないけど·····いつか言わなきゃいけない時が来るんだろうか。




「どしたの？気分、悪い？」

「·····ううん！なんでもない。あ、そろそろ時間だし俺行くね」

「うん。バイト頑張ってね」

「は〜い」

「眞皇？」

「ん？」

「弱音、はいたっていいんだよ。私には」




たぶん、俺の何かを察したんだろう。




廉ちゃんには敵わないな〜ってしみじみ思った。




抱きしめてエネルギーチャージ。




男が弱音なんか吐いてられますかって。




「俺の弱いところって、とことんかっこ悪いからさ。やっぱり、廉ちゃんにはカッコイイって思われたいからなるべく言わないよ」

「眞皇はいつでもカッコイイよ」

「もう、それだけで十分だよ」

「いつか話してね？」

「そういう廉ちゃんもね」

「えっ？」

「お父さんと話してた時、俺になんか内緒にしてることあったよね」

「あっ·····えっと、それは·····」

「無理して聞く気ないから。お互い、話したいと思った時に話そうよ」

「·····うん」




よし！バイト行ってくる！