いつもは緩く着ている制服も、今日はキチッと着こなしていて。




そういう着方も似合う福智に、カッコイイよって心の中で声をかける。




息子ができたみたいで嬉しいと喜ぶ母には気に入られたみたい。




「お母さんは来る前から眞皇くん、眞皇くんってはしゃいでたよ」

「よかった·····。廉ちゃんママ超かわいいし·····」

「若作り頑張ってるだけ」

「それお母さんに聞こえたらやばいんじゃ·····」

「あ」




なんかちょっとだけ、背後から寒気がしたのは気のせいではないみたいで。




お口チャックをして、母の機嫌取り。




福智には父が待っているリビングへ案内した。




ここからが、本番だね。




「ほら、深呼吸して」

「うん·····」

「りっちゃんも応援してたよ」

「口から心臓出そう·····」

「もう、開けるよ?」




福智の顔が青ざめてきたけど、これは避けて通れない道。




私も内心ドキドキしながら、ドアをノックした。