EP.1 BEGIN




眩しいほどの光の粒が窓から降り注ぐ朝___

眠たく重い瞼を開けながらゆっくりと身体を起こす。
徐々に目覚める脳を頼り、リビングに向かった。

ここは辺り一体でも有名な超高級マンションの最上階

そこに一人で住んでいる

特に理由は無いが、あるとすれば自分の身を守るためだろう。
行く行くは、実家に帰らなければならないから今だけ一人の時間を楽しんでいる。
 
リビングにつき軽く顔を洗い、歯を磨き気持ちを整える

面倒臭がりなのもあるが、基本的には朝食をあまり食べない。
だから、朝は大体遅く起きている。
朝起きるのでさえ憂鬱な私にとってそのつぎに憂鬱なのは学校の密室空間だ。

そこに今から通わなければならない。
考えただけでも寒気がするが仕方ない。
行かなければ私が逝ってしまう あー、恐ろしい
あんなの、脅しだっつーの


まぁ、学校に行くハメになった経緯は色々あるが一番は親と叔父の暇潰しだ。
本当にいい迷惑なのにも関わらず悪魔のような微笑みで圧をかけてくるから断るに断れないせいで、こうなってしまった。


仕方なくハンガーに掛けられている制服に腕を通し、髪を櫛でとき、身支度を済ませる。髪をスプレーで黒に染め若干内巻きにして取り柄のない普通の女子高校生になる。
素顔がバレないように軽く化粧をして自分をけして学校用の人を作る

よし、今日も完璧。

学校では本当に普通に生活を送りたい。
何があろうとも目立つことは許されない。

そして、お洒落とはかけ離れたメガネを掛けて一通りの準備が終わる。
メガネを掛ける理由は後々分かるとして、これだけは言える。

このメガネとこの黒髪を辞めると人生が狂う。

特に目が悪いわけでは無いのだが掛けるには本当にそれなりの理由がある。

そして、表の世界での必ず守ることがある。

それは、

名井 夏

として生活を送らなければならない。

何があってもバレてはいけない。

バレたら自分の命どころか周りの人の命まで危険にさらされる。そんなことしたら親からなんと言われるか、。あー怖い怖い。

それでも毎日のようにこの世界から消えたくなる。
私がこの暗闇になれてしまう前に……