「誰が?」


「真田くんが…」


…え?


パッと顔を上げる


え、


「さ、真田くん!?」


ゼェゼェと肩で息をして、
座り込んでる私を 壁に手をついて見下ろす真田くん


「な、ななななっ」


思ったより近くにあった真田くんの顔に驚いて


とっさに顔を隠す


「隠さないで」


えええええ


ど、どどどどどう言うことなんだこれは!


「いや、いま、果てしなくダメな顔してる!」


「ダメ…見せて」


真田くんに手を取られ、開かされる


赤くなった泣き顔を晒す


「…なんで泣いてんの?」


「…し、失恋したからです」


真田くんに…


「…俺?」


こくんと頷く


今に始まったことじゃないのに…




「…ダメ」




…え?


何がダメ…


「失恋しないで」


え…





「好きだよ」