SIDE 志勇

「今日、いい天気だね」

「ん、外に出たいのか?
 あと2日もすりゃ退院できるからもう少しの我慢だな」


入院して1週間が過ぎた。このところ壱華に笑顔が見られるようになって安心した。


「うん、もう少しだね。退院したらおいしいケーキが食べたい」


してほしいことも素直にいえるようになって俺も嬉しい。



「分かった。用意しておく。
……で、ケーキ以外に何が欲しいか考えたか?」

「んー、いろいろ見たんだけど決めきれなくて……。
 わたし、思ったんだよね。志勇にもらったものならなんでも嬉しいって」

「っ……壱華」


綺麗な笑顔でかわいいことを言うものだからたまらない。


だきしめようと身を乗り出したその時。


「ちょっとお二人さん、いい加減気がついてくれない?
ドアの前に5分も立ちっぱなしの俺の存在を無視しないでほしいねえ」

「……あれ、颯馬さん」



 あきれた顔の颯馬が立っていやがった。

 クソ、邪魔してがって。