#02 嘲笑


「どーしたの、エリナ。浮かない顔して」

 翌朝わたしが不機嫌なことに真っ先に気づいたのは、となりの席の紗里(さり)だった。

「当麻くんって。どんなひと?」

 昨日、アイツに紙飛行機の作り方を聞いたら。

『ーーググれば』

 惨敗。

 すごい冷たく返された。

「絶対作れないんだ。だからあんなこと言ったんだ」
「なになに。当麻に、なんかされた?」
「何かされた……というよりは。何もしてくれなかったというか」
「は?」

 わからないことを聞けば喜んで教えてくれるのが、男って生き物だと把握していたのに。

「私、同中だったよ」
「そうなの?」
「背が高いし、まあ顔はいいから、そこそこ目立ってはいたけど」

 かっこいい……?
 あの仏頂面が?

「浮いたハナシは聞いたことなかったなあ」