「反応は?」
「特にナシ」

 ――氷河くんのポーカーフェイスを崩したい

「アイツ。顔色変えないどころか欠伸しやがった」
「さすが当麻」
「ムカつく」
「せっかくエリナがデレたのにね~」
「デレてはないけどね!!」
「そのとき図書室には成澤先輩もいたんだっけ?」
「うん」

 というか、その宣言自体、成澤発案だし。

 どうして乗せられてしまったんだろう。
 言わなきゃよかった。

「あたし思うんだけど。当麻みたいな男は、案外二人きりだと違うんじゃないかな」
「二人でいても変わらないよ?」
「それは学校だからだよ。たとえば、どっちかの家の自室とか」

 …………?

「いいこと思いついた」
「なに」
「エリナの家で勉強会したらいいんだよ」

 ……勉強会って。

「なんで!?」
「図書館とかだと、話せないし」
「だからって……どうしてわたしの家で?」
「女の子の部屋ってだけでドキドキするものだよ、男は」
「アイツそんなキャラじゃないから」
「呼んで見なきゃわからないって」
「だとしても……うちは……」