氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。


 ◇


 2時間後には、みんな、もうくたくたって感じ。

 あれだけ動いたらバテるよね。

「エリナちゃん、聞いてよー」

 氷上限定でカッコいい男がヘルメットを外してやってきた。

 普段はセットされた髪も今はぺしゃんってなってるのが、不覚にもちょっと可愛い。

「氷河と俺の得点さあ」
「同点でしたね」

 わたしの言葉に成澤が目を見開く。

「数えてたの?」
「ただ見てるのもなって思って。ついでに数えてただけで。……別に、深い意味はないし」
「ふーん?」

 含み笑いする成澤。

「なによ」
「よく追いつけたなと思ってね」
「え?」
「あーあ。せっかくエリナちゃんとデートできるチャンスだったのに」

 大袈裟に落ち込んでいるが、勝ったところでほんとにデートする気あるのかな。

「そもそもに約束してないし」
「そんな冷たいこと言わずに。なぐさめてーっ」

 成澤が後ろから抱きついてくる。

「近寄るなっ……」
「こら、万年発情期」

 藍さんが成澤をわたしから剥がす。

「あれー。アイちゃん。もしかして妬いてる?」
「神聖なリンクでナンパするな」
「口説くなら自分にしてって言った?」
「アホか」

 この二人、なんだかんだ仲良しって感じに見えなくもない。