とても信じられないが、たしかにチサトがうちの制服を着て教卓の前に立っている。

「知里くんの席は――」

 井上に指定された席に向かわずに、チサトがわたしの席の前にやってきた。

「やってみることにした。アイスホッケー」
「ほんとに……?」
「知里くん、そっちじゃ――」
「なんですか」

 振り返ったチサトに、

「い、いや。そういえば。知り合いだと言っていたな」

 井上がビビりまくってるんだけどなにがあった。

「仲良く……な。はは」

 そもそもに井上、生徒のこと基本的に呼び捨てなのに。

 知里くん、だって。ウケる。