そうそう、

 うちのクラスに転校生が来るらしい。

 受験で入るのも難しい我が校に編入試験をクリアして入学しちゃうなんて相当頭よくないと受からないと思うんだけど。

 噂の転校生が
 井上に続いて教室に入ってきたとき

「えー、ちょっと待って。カッコいい」

 桜の目がハートマークになり。

「わあ」

 沙里が、ぽかんと口をあける。

 だって、そこにいたのは――

「……チサト?」 

 あの、知里焚だったから。