第2ピリオド開始。

 フェイスオフでパックを奪われた。

「あれがレギュラーの……?」
「はい」

 遊んでいるかのようにパックを運んでいく顎髭のイナダさん。

 こちらのDFなんて、あってないように交わしていく。

 ――格がちがう

「ちなみに副キャプテンの稲田くんですが。少年時代をアメリカで過ごされています」

 アメリカもアイスホッケーが盛んな国の一つだ。

「よくそんなこと知ってますね」

 出場メンバーの一覧を見れば、学年くらいならわかるけど。

 それ以上の選手の情報ってわからないよね。

「小耳に挟みました」

 調べでもしないと。

「……チェックしてるんじゃないですか」
「なにか」
「いえ」

 ツンデレ顧問め。