「ここからが正念場、ですね」

 いつもは無気力な男が、試合中は少しも選手たちから目を離さなかった。

 それだけ先生もこの試合に注目してるってことだよね。

「はい」

 第1ピリオドには体力がフルの状態で出られても、これからは、どんどん削られていく。

「向こうのチーム。先程は1年をメインに出していたみたいですが、次はレギュラーも使ってくるかもしれません」
「え……」

 さっきのメンバー、レギュラーじゃなかったの?

「向こうもプライドがあるでしょうから。勝ちにくるはずです」

 イガラシさんが、言ってた。

 自分一人の力では勝てないと。

 みんな、チームメイトを信じて戦っている。

 わたしもみんなを信じて応援したい。